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鹿とオルガン、日々ノリエ

ヴォーカリスト石田倫依がつむぐ、愛おしき日々のかけら。

2009*02*24 Tue
17:42

無題

なぜ

この子が

わたしのところにやってきてくれたのだろう


ただ純粋に

不思議におもう


眠るその顔に

ゆらゆらとたゆたう

午後のひかりのなかで




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*

2009*02*23 Mon
14:29

ママの結婚

こういう歌がある

「ママの結婚」


NHK歌のお兄さんを長くつとめていらっしゃる
坂田おさむさんの曲である

この方は
ご自分で歌うだけでなく
たくさんの曲を書いている


これが

いい曲ぞろいなのである



子供向けかとおもいきや
表題の「ママの結婚」は
成長した娘が
年を重ねてから再婚する母親に向けて歌う
なんともやさしくせつない歌なのである


胸を張って母の選択を祝福する娘の気持ちに
泣けてしまう


このほかにも

「たんぽぽ団」というチームに入る歌とか
(私はひそかに娘のたんぽぽ団入団をねらっている)

けんかして仲直りする歌とか

ひっこしちゃうケンちゃんがこっそり泣いてた歌とか


シンプルなのだけれど
メロディアスで
なにかあったかいものが触れる
ほんとうにいい曲ぞろいなのである


またあらためて
いろんな曲たちと
出会えそうな予感で
わくわくです *

2009*02*22 Sun
14:11

エロティック

娘ちゃんは寝ない

ほんとに寝ない


寝かしつけは
だから毎回が真剣勝負である

抱っこならば
こんなにもすやすやと眠っているのに
おふとんに背中がついたとたん
ぱっちりと目があく

そして毎回
心のなかでわたしは叫ぶ


ひょえ~~~~~~~~~!!!!!!!




「きぬずれ」

ということばがある


「衣ずれ」
身にまとっている衣服が
音をたてるさまをいうのだが



その昔
裾を長くひいた着物をまとった女性がたてる
さらさらという音は

それが闇のなかであればあるほど
ひそやかな想像力を駆り立てたことであろう

五感のうちの
視覚以外のものをつかうのは
いつも少しエロティックだから

きぬずれという
ことばそのものに対して
なんだかつややかなイメージを持っていた



しかし


寝入りばなの娘ちゃんの敏感な聴覚は
どんなささやかなきぬずれも逃さない


ほぼ闇に近い薄明かりのなかで
「ふえ」と泣きだす娘よ


せっせとつぶつぶうんちをふきながら

今日もセクシーなきぬずれは遠い


*

2009*02*21 Sat
10:38

つよい風が

春をはこんでくる



中学の卒業式では

床に水たまりができるほど泣いた

いや、ほんとに。



春は

あらたなはじまり


あたたかくてせつないものに背中を押されて

淡い桃色の霞のかなたへと歩き出す


春の「式」という節目と縁遠くなってから久しいが

毎年

制服姿のこどもたちを見ては

ひとりせつなくなっている

あやしい自分



*

2009*02*17 Tue
11:41

どっちが…


全粒粉ビスケット
カフェオレ


トースト2枚
たんぽぽコーヒー
温野菜サラダ大量
焼きベーコン


ほうじ茶
あんこ包み焼き
りんご


ごはんおかわり付き根菜のおみそしる
納豆
さんまのひらき
ほうれん草のおひたし



ごはんおかわり付き野菜たっぷりおみそしる
鳥手羽中ととうふの水炊き
小松菜のごまあえ
ゆでにんじん



ヤクルト
ほうじ茶
蒸しケーキ



ある日のメニュー


母乳はおなかがすくこれまで生きてきた人生のなかで
一番おなかがすく


これだけ食べていても
出産後、たった1ヶ月で
妊娠前の体重に戻り、増えることもない

考えてみれば
娘ちゃんにとってはわたしがたべもの


大いばりで
この驚異的な食欲を肯定しよう


でも
粉ミルクとおやつ代どっちが高いんだろう…
*

2009*02*15 Sun
18:49

ひなまつり


娘ちゃんにと
父と母がおひなさまを送ってくれた

「とにかく掃除が簡単なものがいい」
とがんばった父のセレクトで
ガラスケース入りの素敵なおひなさまが届いた


昨年
埼玉のどこかを車で走っていたとき
古い日本家屋の土間部分に
なんとも色あでやかな吊し雛がたくさん飾られていた


オレンジ色のはだか電球の灯りのなか
浮かびあがる緋もうせん


どうやら
古い七段飾りを囲むように
つるしてあるらしい

言葉は知っていたけれど
実際に見たのははじめてで
ひかりと影が織りなすその艶やかさに
文字通り
息をのんだ



そうしたらば


なんといただいてしまったのです!
吊し雛。


大好きなジャズボーカリストの田山ひろみ姉


「絶対あんた好きだと思って」
という言葉とともに

はい!
好きですとも!!




今年は段飾りの横につるして
ぼんぼりに灯をともし
ていねいにお祝いしてみたいと思います


桃の節句って

素敵なことばだなあ
*

2009*02*14 Sat
13:32

これはもう


春ですね

この
ひなたくさい匂い

髪の毛も肌も
あたためられて

そこはかとなく立ちのぼる匂いに
人間のからだというものを
意識する瞬間でもあります


ああ、生きてるんだなあと


娘ちゃんはまだまだ昼夜のリズムがバラバラなのですが

もう少し大きくなった子供は
夕方、ぐずることが多くなるといいます

母乳の場合は
昼食と夕食の時間があくため
味が薄くなるので赤ちゃんがいやがるとか

潮の満ち引きと関係しているとか

そんな話をきいたあとでは
むずかる娘ちゃんを少し優しいまなこで見られる自分がいて笑


しかたないよなあ
動物なんだもんなあ泣いちゃうよなあ
泣きたいんだもんなあ


どんなに技術が進歩しても
こういうことは誰も操作できない

太古の昔から
赤ちゃんは

月や海やいろんなものとつながって
泣いて笑って
おっぱいを飲んで
うんちをして
眠る


人間ていうのは
動物なんだぞというところも
やっぱり忘れちゃいけない


アナログ万歳




アナログ人間の
わたしは思う
*

2009*02*13 Fri
18:14

デジャヴ


娘ちゃんはこの世に生まれて一ヶ月半になった


ひかりも音も
すべてが未知との遭遇
見るのも聴くのも全力投球だ


そんな娘ちゃんに
おっぱいを飲ませているとき
なぜだか必ず
あるデジャヴがよぎる




肌寒いプールサイド薄暗い更衣室
塩素のつんとした匂い
わんわん響くこどもたちの声
ぼーっとひとり立ち尽くす自分



私は泳ぐのが苦手なこどもで
いまでもろくに犬かきすらおぼつかない


そんなふうなので
ひと夏に何度かあったプール学習のときには
きまって着替えをするのがビリだった


ただでさえ
「人が5分前ならあんたは10分前行動よ。」と
母に口を酸っぱくさせていた私なのに


着替えのあとに待っているものは
気がすすまないのにもほどがあるクロールなでであるから
遅いのは尚更である


トロトロ着替えて
もう更衣室には自分ひとり

そんなとき

なぜだかいつも
母親の顔が浮かび なぜだかわからないけど
いつか離れなくちゃいけないんだなあ
と思った


唐突にそう思ったのだ

わたしはいつか
別の場所で生きてくんだなあと


そしてきまってせつなく泣きたくなった

あれはなんだったんだろう

いまこうして言葉にできるほど
はっきり認識していたのかはわからないけれど


その感覚が
子を持ってから
やけによみがえるのだ


もしかするとあれはわたしにとって
ひとつの親離れの意識だったのだろうか

あんなにも嫌いなものと戦うのに
そこに母はいなくて自分ひとりで立ち向かわなくてはならないとわかった瞬間


はじめての孤独


いま
自分が娘とぴったりからだをあわせて

このあたたかい体温まぎれもなく一番近くにいるのにも関わらず
よみがえるデジャヴ

自分でも笑ってしまうけれど
どうやらもうすでにわたしは娘の親離れ自分の子離れを想っているらしい


きっと


あまりに愛おしいものは
そこにまぎれもなく在ることの
不在を想ってせつなくなるものなのだろう


今日もすやすやと娘は眠り

母は余計な心配をして
ひとり勝手にせつなくなっているのであった



*
プロフィール

石田倫依

Author:石田倫依
歌をうたっています。ライブやレコーディング、時々芝居やパフォーマンスを。
コーヒーと読書をこよなく愛しつつ、日々世界を迷走探検中。
褒め言葉は「変態」。よろしうに。

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